天上天下唯我独尊

仏教の開祖であるブッダは、生まれてすぐに七歩あるき「天上天下唯我独尊」と言ったそうです。

唯我独尊とは、「唯だ、我、独(ひとり)として尊し」という意味で、それは、他と比べて自分のほうが尊いという意味ではないそうです。天上天下において、誰とも代わることのできない人間として、しかも何一つ加える必要もなく、このいのちのままに尊いという、なんとも素敵な言葉です。人間以外のすべての動植物においても等しくそうであってほしいです。

中学生の時に、暴走族の特攻服にこの文字が刺繍されていたのを記憶してます。改めてあの時の怖かった先輩は、全てを悟っていたんだなあ。笑


山において、学歴や経歴、財産、これまで築きあげた地位は何の価値も見出しません。逆に、それらが邪魔して見えなかった裸の自分の内面に気づくことになります。

ぜぃぜぃ

はぁはぁ

衣食住をザックに詰め込み、裸一貫で一歩一歩。山歩きは「歩く瞑想」。不思議と下界での煩わしさは消えさり、心も体もどんどんクリアになっていく。そして、山頂に登り詰める頃には、もう喜びの感情しかなくなっている。山頂の世界が無垢の桃源郷のように思えてくる。

あぁ、生まれてきて本当よかった。

山は、何一つ加えられていない裸の自分を肯定し、尊ぶことができる悟りの場なのかもしれません。

関連記事

  1. 雲と雪を纏う永田岳

    威風堂々、そんな言葉がしっくり来るような永田岳の姿。羽衣を纏った天…

  2. 障子岳 屋久島

    障子岳と口永良部島

    障子尾根には12のピークを数えることができる。岩尾根の永…

  3. ブロッケンと宮之浦岳

    光の輪に包まれるブロッケン現象。眼下にガスがあり、自分の背…

  4. 天柱石とコウノトリ

    こんにちは松田です。『天柱石とコウノトリ』ロケットの写真連…

  5. 障子尾根、冠雪。

    今年の降雪はとても遅かったです。さあ、これから白銀の屋久島…

  6. 幻日

    日の出から1時間少々、今度は幻日が現れた。奥岳に入ると、たまに幻日…

  7. 山岳太古の香りに包まれて

    この山域で人に出会ったことは一度もないこの森でゴミを見かけ…

  8. 春の雨

    春分をむかえ春の訪れを知らせるオオゴカヨウウレンも花の時期を終えよ…

PAGE TOP