海を飛ぶアカウミガメ

屋久島 アカウミガメ

この季節、アカウミガメのオスがメスを求めてか海の中でウロウロしています。カメラを構えているとオスはよく大接近してきます。メスが寄ってくることはいままでないので、オスならではなのでしょうか。

威嚇なのか。僕をメスだと思ったのか。カメラぎりぎりまで泳いで寄ってきてUターンしていきます。泳ぐというより飛んでくると表現した方があってるかもしれません。その向かってくる野生のスピード感は、弱者としては恐怖心が芽生えます。それと同時に、威厳のある美しさに見惚れてしまう自分もいます。陸だとノロノロ産卵してますが、海だとめちゃくちゃスピーディでかっこよく、スーパースターのような佇まいです。

甲羅が欠け、海藻を体にまとい、直径1mを超える何とも風格のある漢でした。

ウミガメに子育てなんて生優しいものはなく、孵化した瞬間から体一貫の一人旅が強制的にスタートします。生まれてみたらどこにも両親がいない人生、かなりストイックですよね。笑

人は大人になるにつれ、モノを所有することが生きがいになっていく人がとても多いですが、彼らは人生においてモノを所有することはいっさいありません。

外敵の多い大海での彼の日常に想いを馳せると、心の中で彼の存在がよりいっそう大きな存在となって、陸に上がっても彼のことを考えてしまいます。

 

野生動物と僕の人生が

言葉を交わす間もなく

数秒だけ交わり

終わり

また別々の人生を進んでいく

 

人間界ではごくごく当たり前のことなのだけれど、この刹那の出会いが僕の人生をとても豊かなものにしてくれています。

人間関係においても

きっと

  

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