夜の写真家松田です。
屋久島では里から見える標高1000m前後の山を『前岳』、宮之浦岳などの山奥の峰々を『奥岳』と呼んでいます。
屋久島には『岳参り』という各集落ごとの山にお参りする文化があります。今でこそ奥岳は日帰りでも行くことができますが、林道や登山道の整備されていない時代にはどれほど大変だっただろうか。
奥岳は前岳に隠れ里からは望むことのできないものも多い。だけれども、見えない何かを信仰し体を使い参る。日本全国には山岳信仰の残る山はたくさんありますが、里から『見えていない』というのはめずらしいんじゃないだろうか。
見える見えないに関係なく心はいつも自然へ。そんなことを考えさせてくれる。
そんな奥岳の稜線に降り注ぐ星たちを撮った1枚。肉眼で見える世界とは違った世界だけどこれだけの星に囲まれて生きているんだなと感じられた夜でした。