【屋久島図鑑】No.11
今回の写真は虫やクモが苦手な方には申し訳無いです。
このクモにはまだ和名(日本語の名前)がありません。2021年に新種になったばっかりです。
強いて言えば、ヤクシマナミハグモです。
ヤクシマザルやヤクシマシャクナゲのように屋久島でしか見つかっていません。今のところ。
そして、屋久島の自然生態系を構成する立派な一員です。
そう考えるとちょっぴり大切な存在に思えてきませんか?
実は、このナミハグモの仲間は日本に90種以上もいるのですが、その多くがとても狭い地域でしか見ることができません。
例えば、フジナミハグモは山梨県でしか見つかっていません。
※静岡の方は異論を唱えないようにお願い致します。
ガッサンナミハグモは山形県のみ、フウジンナミハグモは熊本県のみと枚挙に暇がありません。
それぞれがこの世界で限られた場所にしかいない貴重な存在なのです。
ナミハグモの仲間はとても見分けることが難しく、またあまり好かれる外見でもないのですが、敢えて取り上げてみました。
ちょっとクモにも興味を持ってもらえると嬉しいです。
因みに、Cybaeus kodamaも2021年の新種として報告があります。
まだ和名はありませんが、強いて言えばコダマナミハグモです。
※あの映画に出てくるあのキャラクターが由来でしょうか。。
こちらも是非、撮影してみたいですね。
和名:無し
学名:Cybaeus yakushimensis
分類:クモ目 ナミハグモ科 ナミハグモ属
撮影日:2021年10月3日
撮影場所:鹿児島県屋久島町春牧
参考:Ihara, Yoh, Naoki Koike & Takafumi Nakano. 2021. Integrative taxonomy reveals multiple lineages of the spider genus Cybaeus endemic to the Ryukyu Islands, Japan (Arachnida : Araneae : Cybaeidae). Invertebrate Systematics 35(2): 216–243.