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ホンモノの楽園

自然から享受できる無償のギフトは空気だけになってしまいました。

いや、空気ですら高値で売られているらしいと中国の友人がおしえてくれたので調べてみると、ロッキー山脈の空気が入ったボトルが1本なんと2000円! 中国の大気汚染が深刻化している現れだといいます。

参考サイトhttps://www.sankeibiz.jp/express/news/151217/exd1512170000001-n1.htm 

そのほか、かつては無料だった水や種も今は私有化され、ビジネスの対照になってしまいました。

その結果、水の質は塩素などの化学物質で汚染され、種は毎年消費者に買ってもらえるように、子孫が残せないよう遺伝子を操作したF1種という種におきかえられてしまいました。

自然からのギフトを誰かがビジネスにしようとすると、この星の美しさが歪んでしまうのがこの世の常のようです。

人間にとって一番大切な、空気と水と食べもの。この3つがあることで、地球はこの宇宙において奇跡の星である、なんて言われています。これほどまで多種多様な生きものがひしめき合っている星はいまだ、確認されていません。

ところが、人が密集して暮らし始めると、当たり前に存在してくれているものから壊れてゆくようです。

当たり前のものほど、実は一番大切なものなのに。

屋久島の安房川の河口はかつて、何種類ものエビやカニがいたそうです。今は全くみなくなってしまったそうです。永田の田んぼにも今は見ることのできないカエルがひしめき合っていて、踏みつけないと歩けないほどだったそうです。自然豊かといわれる屋久島ですら、とり返しがつかないほど荒廃していると思われます。

それを僕はいつも奥岳に籠ると痛感します。写真は、標高1500〜1600m付近に流れる沢です。ここの空気と水を体内に入れ込むと、体と脳内に衝撃が走ります。明らかに里のものとは違う旨さなんです。

この星の空気と水は、こんなにうまかったんだ!

人は快適に生きようと自然を操作します。僕は持続可能な暮らしを!だなんて正義感まるだしで、オーガニック畑をやっていますが、内心は真逆の感情で大地にクワを入れています。

農という字は辰(元気に振るう)を曲げると書きます。農業は、自然の摂理を曲げて人の都合の良い作物をつくる行動なんです。

人は究極の楽園をいつか里に生み出せる種族なのでしょうか。いつも迷宮入りしてます。笑

いつもそうやって僕が悩んでしまうのは、比べる対象ができてしまったからなんです。

 

透明という言葉を超える透明な沢の水

人の手が入っていない原始の森

真っ青な空をみたす極上の空気

 

圧倒的な快適さで僕の心身のすべてを満たしてくれる世界が。

 

 

屋久島の深部にはまだひっそりとそんな楽園が存在してくれています。

 

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