仏教の開祖であるブッダは、生まれてすぐに七歩あるき「天上天下唯我独尊」と言ったそうです。
唯我独尊とは、「唯だ、我、独(ひとり)として尊し」という意味で、それは、他と比べて自分のほうが尊いという意味ではないそうです。天上天下において、誰とも代わることのできない人間として、しかも何一つ加える必要もなく、このいのちのままに尊いという、なんとも素敵な言葉です。人間以外のすべての動植物においても等しくそうであってほしいです。
中学生の時に、暴走族の特攻服にこの文字が刺繍されていたのを記憶してます。改めてあの時の怖かった先輩は、全てを悟っていたんだなあ。笑
山において、学歴や経歴、財産、これまで築きあげた地位は何の価値も見出しません。逆に、それらが邪魔して見えなかった裸の自分の内面に気づくことになります。
ぜぃぜぃ
はぁはぁ
衣食住をザックに詰め込み、裸一貫で一歩一歩。山歩きは「歩く瞑想」。不思議と下界での煩わしさは消えさり、心も体もどんどんクリアになっていく。そして、山頂に登り詰める頃には、もう喜びの感情しかなくなっている。山頂の世界が無垢の桃源郷のように思えてくる。
あぁ、生まれてきて本当よかった。
山は、何一つ加えられていない裸の自分を肯定し、尊ぶことができる悟りの場なのかもしれません。