みんなから2ヶ月ほど遅れてのはじめてとなる投稿です。
朝の静けさに包まれた川を歩く
5月でも標高1000mの森を流れる水は脳天まで痺れさせるほど冷たい
しかし刺すような痛みを超えていくと、感覚は徐々に薄れその水の冷たさに馴染んでいく。
鏡のように穏やかな水面
一歩前に足を出すたびに波紋となってどこまでも広がっていく。
しばらくそんな幻想的な空気に包まれながら歩いていると2頭の鹿が水を飲みに川へとやってきた。
おそらく僕の存在には気がついていない。
波紋が立たないように一歩 そしてまた一歩
ゆっくり ゆっくりと近づいてゆく
凛 と張り詰めた空気
高鳴る鼓動を鎮めようと深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出しながらそこを流れている氣に自分の呼吸を同調させていく。
カメラを構え丁寧にシャッターを切っていった。
シャッターが下りる音でさえ不自然で邪魔に感じてしまう。
それは自然が見せてくれた奇跡のような日常
里で生活していてこういった空気感を感じることはまずないだろう。
人の匂いが一切ない完全なる野生だけの気配
屋久島の森を歩いていると極稀に時が止まりどこか違う次元に迷い込んでしまったかのような場面に出くわすことがある。
その瞬間自分の奥底で眠っていた“何か”が目覚めて動き出していく。
そんなまだ見ぬ自分を知りたくて僕はまたこの森へと還ってくる。